日本ローカーボ食研究会

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症例2 食生活環境に配慮した炭水化物制限法による栄養指導

50代男性 会社員 (外来2型糖尿病患者)

勤務時間が不規則なため(タクシー運転手)、自宅で食事ができる日(週3~4回)のみ夕食CARDを実施。治療開始から3ヶ月でHbA1c6.4%から6.1へ改善。体重は1kgの減少。患者さんの食生活環境に合わせ、総炭水化物量に注意することも考慮したが、「除去」と「控える」というふたつの制限方法が混在していることで、今後の不安点も挙げられる症例です。

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HbA1c6.4%、BMI26よりHbA1c改善とともに体重減少も課題となった。治療前3日間食事日記からは、朝食で菓子パンが多いこと、夜間勤務中の夕食は、丼物やカレーライスなど「炭水化物中心のお店」が多いこと、間食でお菓子を食べているなど、1日の総炭水化物摂取量は多い印象だった。

初回の栄養相談では、仕事上、夕食は週3回以上は外食で、炭水化物を食べないことは不可能であること、また、「おかず」の多い店へ変更するという提案にも、そのような店が少ないことや、短時間で食事を済ませなくてはいけないという理由から難しいとのことだった。しかし、自宅で食事をする時のみ「夕食CARD」を実施するという提案には実施の意志を示した。その後、可能ならば朝食の菓子パン、昼食の米飯量も控え、1日の総炭水化物量を減らすことを心がけるよう話した

開始後の食事日記を見ると、朝食の菓子パンは食パン(6枚切り1枚のバタートースト)へ、昼食米飯量は約50g減、外食以外の夕食では、炭水化物摂取の減少が確認できた。摂取エネルギーは2600kcal から2371kcalへ減少、蛋白質は66gから79gへ増加、炭水化物は364gから257gへ減少したが、脂質は101gから108gと大きな変化はなかった。蛋白・脂質・炭水化物の摂取エネルギー比は、蛋白質は10%から13%へ増加、脂質は35%から41%へ増加、炭水化物は56%から43%へ減少した。これらの結果から、この症例の患者さんでは、もともとの炭水化物と脂質摂取量が同年代の男性よりも多いが、週3~4回の夕食CARDと朝食、昼食において炭水化物を控えることで十分な制限ができ、3ヶ月後にはHbA1c6.1%へ改善、体重は約1kg減少したことがわかった。

栄養相談は今後も継続する予定である。今回は、患者さんの食生活環境から、炭水化物を「除去する」と「控える」のふたつの制限方法が混在しているが、「控えること」は、その時の患者さんの気持ちで変化しやすく、増加したまま毎日食べることも少なくないように思う。また、CARD食を実施できる自宅での食事の頻度が変化する可能性もある。この症例の場合、まだ開始後3ヶ月でもあるので、もう少し制限後の食生活が習慣化されるまでは、食事内容を確認していく必要があると思う。

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