日本ローカーボ食研究会

日本ローカーボ食研究会

第9回定期勉強会 印象記:纐纈 亜美

梶の木内科医院 管理栄養士  纐纈 亜美

平成27年7月4日に行われた第4回ローカーボ食研究会 定期勉強会に参加いたしました。
はじめのセッションでは、小早川先生からの症例提示により、医師、薬剤師、管理栄養士がグループになってワークショップ形式で行なわれました。管理栄養士になって2年目の私は、経験豊富な他職種の方々と肩を並べお話をすることを光栄に思うとともに、大変勉強になり、良い刺激を受けることができました。毎回なかなか自分の意見が言えず、皆さんの意見を聞いてばかりになってしまうのですが、今回は、グループで私1人が管理栄養士ということと、グループとしての治療方針が、栄養指導を主として進めていこうということもあり、発言させていただく機会が多く、とても緊張しました。
症例の内容としては、糖尿病家系の45歳の女性で、1年間で体重が12㎏減少したことを主訴に来院されました。口渇がひどく、毎日、清涼飲料水をペットボトル1本飲んでいるような症例で、初回来院時は、HbA1c14.0%、随時血糖348mg/dlでかなり高血糖の状態でした。治療の希望としては、①頻回のインスリン注射はしたくないこと、②内服薬は最小限としたいこと、③食べる事が趣味で友人と外食することが楽しみのため食べる事を我慢したくないということ、④今の生活のスタイルを崩したくないということでした。受診されるまでの最近の期間は、自己流で勉強されたというローカーボ食を行っているということでしたので、私たちのグループは、食事療法から行っていくことにしました。「ローカーボ食に着目したのは良いですね」と患者さんの言葉を受け入れながら、食事指導を進めていきます。具体的には、まず清涼飲料水はやめていただきます。2CARDを設定して、毎朝ふすまパンを食べていたので、朝にふすまパンは食べても良いということにしましたが、「ふすまパンは、1個糖質2.2gなので、それは3CARDということになってしまうのでは?」と灰本先生からご指摘を受け、食パン1枚なら良いということに変更しました。ご自身で行っていたローカーボ食は、ダイエット食のような感じで、低カロリーの料理が多く、体重減少が著しい方なので、蛋白質や油は積極的に摂っていただこうと考えました。後々考えてみると、患者さんは、友人と食事をいくことが楽しみなので、朝に主食を食べても良いということではなく、昼に軽く主食を食べても良い2CARDを設定すれば良かったと思いました。
小早川先生は、まず患者さんに清涼飲料水をなくしてもらい、今まで通り自己流の3CARDを2週間続けてもらいましたが、なかなか上手くいかないため、糖質の多い食事する前にアピドラを10g/1単位・car打つこととし、また、理解力のある方だったので、カーボカウントを取り入れたそうです。このようにすることで、糖質の高い物を食べたいときに食べることができ、可能な限りインスリン注射を減らすことで、自分のスタイルをできるだけ崩さないという形ができました。
糖質制限という1つの食事療法の中でも、患者の性格、生活スタイル、治療の経過、やる気などによって、様々な治療方法があるのだと改めて感じました。
毎回、勉強会へ参加すると、様々な視点から意見を聞くことができるので考えされられます。一つのことにとらわれるのではなく、その人に合った最適な医療をサポートできるように、患者さんと向き合って理解し、柔軟に対応していくことが目標です。
村元先生と灰本先生による最新の研究結果も大変勉強になりました。HbA1cは、下げるだけが良いのではなく、その背景を探ることが大切であると感じました。外来のみの食事指導では、毎日患者さんの状況を把握できるわけではありませんので、特に毎回の聞き取りを大切にして、低血糖が起こっていないかを把握し、その患者さんに最適な数値を探っていくことが大切になります。ただ単純にローカーボ食が良いと押すのではなく、常に勉強して、患者が治療方針に納得できるよう、エビデンスのある指導にあたりたいと思います。
今回も有意義な時間を過ごさせていただき、ありがとうございました。次回の勉強会では、もっと堂々と意見が言えるように、知識を深めたいと思います。

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