日本ローカーボ食研究会

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第12回学術総会のお知らせ

●第12回日本ローカーボ食研究会学術集会 [今回のテーマ]
メタボからフレイルへ -ローカーボと逆ローカーボ-

NPO法人 日本ローカーボ食研究会 代表理事 灰本 元

 今回のテーマには、すでに2017年に「肥満パラドックス」、2018年「健やかに老いるための高齢者の生活管理」、で議論した“体重と生命の関係”が底辺に流れています。
 メタボリック症候群(メタボ)は肥満が糖尿病と心筋梗塞の発症を増やすという単純な発想でまとめられた概念ですが、そのような患者が果たして死亡リスクが高いのかどうかを無視しています。その上、日本人の主な死因の癌や肺炎なども無視しています。その結果、本当の健康を示していないことが次第に明らかになり重要性は日に日に薄れています。
 糖質制限食はBMI>30の肥満が人口の3割以上を占めるメタボ大国アメリカで登場し、体重と血糖値を下げ、その結果、メタボを予防できるという画期的な治療法なので脚光をあびてきました。ところが、日本人ではBMI>30は人口のせいぜい数%と著しく低く逆にBMI<21の痩せは人口の20%以上、それに欧米の第一の死因が心筋梗塞に対して日本では癌という疾病構造の違いもあって、日本ではメタボの意義は比較的小さいと言えます。当然、それと呼応して日本の糖質制限食は欧米ほど重要ではなくなるでしょう。
 一方、日本の痩せの存在は日に日に重要性を増しています。癌、心不全、慢性呼吸器疾患に罹患した患者が入退院を繰り返し、その度に痩せながら「フレイルになっていくのはどこにでも日常的にある風景です。癌も心不全もフレイル・パンデミックと言えます。
 そのような状況を背景として、私たちはメタボから痩せ・フレイルへ視点を移すべき岐路に立っており、それに合わせてローカーボから逆ローカーボへ、痩せた患者を太らせる、そのような食餌療法の開発が求められているのです。
 今回は“逆ローカーボ”とはどのような食事療法か、それを癌や心不全の臨床現場に応用したときに発生するさまざまな課題、そしてそれを乗り越えるにはどのような対策が必要かなどを幅広い議論できればと考えています。

●第12回日本ローカーボ食研究会学術総会日程のお知らせ

 開催日時:2022年3月13日(日)午前10時~13時30分 

新型コロナウイルス流行の影響で、前回に引き続き今回も会場に集まることは難しいと判断し、Webexを使用してWEB配信形式で開催することとなりました。
事前登録制となっておりますので、参加希望の方は下記メールアドレス事務局渡邉まで連絡をお願い致します。事務局渡邉宛:low.carbo.diet@gmail.com 登録締め切り2022年3月9日(木)

プログラム

「メタボからフレイルへ―ローカーボと逆ローカーボ―」

【 開会の挨拶 】今回の学術講演テーマについて 代表理事 灰本 元

【特別講演】(10:05~11:00)
第1部 司会:村瀬 孝司
特別講演1「肥満パラドックス 最近の話題―癌、心不全、新型コロナ肺炎」
      灰本 元(春日井市 灰本クリニック 内科 医師) 
特別講演2「グルカゴン、糖新生の基礎」  
      村瀬 孝司(名古屋市中村区 リブラささしまメディカルクリニック 内科 医師)

第2部 司会:米田 正始
特別講演3「心不全患者に対する栄養管理の現状」
              小栗 光俊(春日井市民病院 循環器 医師)
 

〈 症例検討 〉(11:05~13:30)各20分
司会:村元 秀行(名古屋市千種区 むらもとクリニック 放射線医、内科 医師)​​​​​​​

・症例検討1. 「痩せのある心不全患者での問題点」 
          米田 正始(大阪府枚方市 福田総合病院心臓センター 心臓血管外科 医師) 

・症例検討2. 「糖尿病を有するやせた心不全患者への栄養介入」
          大西 歩実(岐阜市 岐阜ハートセンター 管理栄養士)
          

・症例検討3. 「進行癌患者の栄養指導の課題―ローカーボから逆ローカーボへ転 換した症例を含めて―」
          渡邉 志帆(灰本クリニック 管理栄養士)

・症例検討4. 「短期間に4重複癌の治療を乗り切った患者」
          灰本 耕基(灰本クリニック 内科 医師)

司会:村瀬 孝司
・症例検討5. 「認知症を合併した2型糖尿病の治療」
          小早川 裕之(名古屋市昭和区 小早川医院 内科 医師)
 

皆様のご参加お待ちしております。

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