日本ローカーボ食研究会

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第3回定期勉強会印象記:佐藤歩美

平成24年7月21日、名古屋ルーセントタワーにて行われました「第3回ローカーボ食定期勉強会」に参加させていただきました。今回の勉強会では、サノフィ・アベンティスさんのご協力もあり、以前に比べてかなりレベルアップした勉強会であったように思います。前回と同様に、グループワーク形式の症例検討、英文抄読、栄養ミニレクチャーを行ったあと、今回の目玉ともいえる東京都済生会中央病院の島田朗先生による特別講演がありました。

まず今回の症例検討は、「ローカーボ食実行中にDM薬(アマリール、アクトス)を中止して、血糖コントロールが悪化した症例」でした。DM薬を中止し、1CARDを実施。朝食、昼食の主食量も少し減。3ヶ月後、浮腫は改善、体重も89.0kg→82.4kgと約7kg減少し、患者は初診時よりもすがすがしく快調なのにもかかわらず、HbA1c(NGSP)が7.5%→11.3%に悪化してしまったという大変興味深い症例です。なぜ、そのような結果になったのか、今後の治療方針をどうするかなどを医師、薬剤師、管理栄養士が話し合いました。あらゆる視点から、様々な意見が飛び交いました。緩徐進行1型糖尿病の可能性は?甲状腺機能亢進症の可能性は?膵臓癌以外の癌の可能性は?スポーツドリンクなどは飲んでいないか、調味料で糖質を摂りすぎていないか、運動量が減ったのではないか、夜中に糖新生が起こるために空腹時の血糖が高値になったのではないかなどなど…。今後の治療方針についても様々な意見がありました。アクトス15mg/日で再開、メトフォルミン併用、αGI、DPP4阻害薬を使う、運動療法も行う、2~3CARDを短期実施、インスリン(ランタス、炭水化物食前にアピドラ)を導入するなど。患者の意見やライフスタイルも考慮して、治療方針を選ぶことが大切だと思いました。そのためには、いかにたくさんの方法を考えておくかが重要だと感じました。

そのあと、村元先生による英文抄読会が行われました。英語に全く慣れていない私にとって、英論文は見ただけで気分が落ち込んでしまいます。このような機会を本当にありがたく思います。村元先生が訳してくださった日本語文と英論文を見比べ、きちんと復習しておかなくてはいけないなと思いました。今回は、時間の都合で前半部分だけでしたので、次回の後半部分の予習もしっかりとして次回の勉強会に臨みたいと思います。

そして、ミニ栄養レクチャーということで「食品中の脂質の種類と特徴」を少しお話させていただきました。時間の都合であまり詳しくはお話できなかったのですが、どのような食品にどのような脂肪酸が多く含まれているかを中心にお話をさせていただきました。肉は飽和脂肪酸、魚はn-3系多価不飽和脂肪酸というのが頭に焼きついてしまっているのですが、実は肉には飽和脂肪酸以外に一価不飽和脂肪酸であるオレイン酸も多量に含まれています。n-3系多価不飽和脂肪酸を多く含むと言われている青魚も飽和脂肪酸、一価不飽和脂肪酸、n-6系多価不飽和脂肪酸、n-3系多価不飽和脂肪酸が同じくらいの割合で含まれています。植物の油でも、種類によって含まれている脂肪酸の割合が異なります。それぞれの脂肪酸が人体に及ぼす影響については、様々な論文結果が出ていますが、不明な部分もまだまだ多いです。次回は、脂肪酸が人体に及ぼす影響などについてもお話できたらいいかなと思っています。

最後に、東京都済生会中央病院の島田先生のご講演がありました。「1型糖尿病の最新情報~緩徐進行1型とインスリン療法を中心に~」というタイトルでご講演いただきました。私は、この勉強会に参加するようになって初めて緩徐進行1型糖尿病というものがあることを知りました。1型糖尿病について詳しく話を聞く機会がなかった私にとって、このお話はとても新鮮で大変勉強になりました。緩徐進行1型糖尿病の判定方法や治療方法を学びました。割合としてはとても少ないそうですが、そのような患者がいるということをしっかりと理解しておかなくてはいけないなと改めて思いました。

今回の勉強会もあっという間に時間が過ぎてしまいました。普段、医師と一緒になって診療方針を考えたりする機会はほとんどないので、この勉強会ではいつも本当に貴重な時間を過ごさせていただいています。勉強会で学んだことをしっかりと復習し今後の栄養指導に役立て、1人でも多くの患者さんを笑顔にできるように努力していきたいと思っています。

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