日本ローカーボ食研究会

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論文要旨和訳2014年7月①

野菜および果物の摂取量と2型糖尿病の関係:JPHC前向き研究

Kayo Kurotani, Akiko Nanri, Atsushi Goto, Tetsuya Mizoue, Mitsuhiko Noda, Masayuki Kato, Manami Inoue, Shoichiro Tsugane and for the Japan Public Health Center-based Prospective Study Group

 野菜と果物の摂取量は、癌とCVDの発症リスクの軽減に関係している。しかし2型糖尿病の発症リスクとの関係は不明瞭なままである。
 私たちは野菜および果物の摂取量と2型糖尿病の発病率の関係について前向き調査をした。被験者はJPHCコホート研究の第2期調査に参加した2型糖尿病または重大な疾患の病歴がない45-75歳の21,269人の男性と27,168人の女性であった。野菜と果物の摂取量は147品目食物摂取頻度調査票(FFQ)を用いて評価された。オッズ比は5年以上2型糖尿病であると内科医に診断された症例について、ロジスティック回帰を用いて評価した。
 合計896名が新たに2型糖尿病であると診断され自己申告された。野菜と果物の組み合わせ、果物のみの双方は2型糖尿病の発病リスク軽減との関係は見られなかった。しかし統計的に有意ではないものの、野菜(男性のみ)、緑葉野菜(男性と女性)、アブラナ科の野菜(男性のみ)におよそ20%のリスク軽減の関連が見られた。そのようなリスク軽減は肥満あるいは喫煙をする男性の方が、肥満ではないあるいはタバコを吸わない男性よりも幾分大きかった。
 結論として野菜(特に緑の葉が多くてアブラナ科の野菜)の小さな有益な効果を除外することはできないが、野菜と果物の摂取量は日本人の成人における2型糖尿病の発症リスクにはこれと言って関係していないのかもしれない。

キーワード:野菜、果物、2型糖尿病、緑葉野菜

British Journal of Nutrition (2013), 109, 709–717

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